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言語の習得のメカニズム Part2

家庭内の日本語環境


言語習得は、人間の習性
前回のブログで、言語の習得は人間の習性であることをお話ししましたが、一つの実例を紹介したいと思います。
今まで、言語はある一定の年齢に習得できる特殊能力という話しをしてきましたが、その時期を失してしまうとどうなるのでしょうか? 
一つの例は、狼に育てられた子供が山の中で発見された例があります。
発見当時、9歳。つまり、言語習得期の後に発見されたことになります。この間、言語を使う人との交流を一切していませんでした。発見後、8年ほど生存し、言語教育を行ったのですが、その間30語の単語しか憶えられず、文法的な会話は、できずに生涯を終えてしまったと記録に残っています。
つまり、子供の言語の自然習得期をのがすと、言語の習得機能は、失ってしまう、という事になります
ここで誤解をしないでください。 言語の自然習得期に、どんな言語も習得しなかった場合です。一つでも言語を習得していれば、他の言語を習得する事は可能です。(それがサインランゲージであっても同じです)

それでは、言語習得のお子さんの能力がどの位すごいかを、みてみましょう。
5歳、6歳の子供さんがよく500個以上もあるポケモンのキャラクターの名前を全部憶えたりします。驚嘆すべき記憶力というか、言語能力だと思います。
大人が、短期間に300個の英単語を覚えるといったら大変なことです。大人の場合、まず書くことから始め、何回も何回もの反復練習をしたりして覚えます。小さい子供たちの場合、どうもそんな練習をせずとも、いとも簡単にポケモンのキャラクターを憶えてしまいます。
大人の場合、言語をつかさどるのは左脳です。しかし小さい子供のうちは、左脳と右脳の両方を使って言語を習得すると言われています。そのため、これだけの能力をもつのだといわれています。まさに言語力にかけては、子供の脳は、ツインターボエンジンのように言語を習得していくんですね。

引用文献:
酒井邦嘉著「言語の脳科学」
ステイーブン・ピンカー著 「言語をうみだす本能(上)(下)」

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